プロジェクト概要
- 顧客タイプ:美容クリニック/プロ向けスキンケアブランド
- 市場:オーストラリア
- 製品:複数SKUのフェイシャルスキンケアシリーズ
- プロジェクト形態:プロ向けスキンケアのカスタム開発
- 主な要望:複数SKUの処方開発、複数回のサンプル作製・改良、柔軟なMOQ対応、包装資材の調整、小ロット生産
- プロジェクト成果:試験生産に成功し、その後はより大口かつ定期的な追加発注へ移行
本事例では、複数の製品カテゴリーにわたって独自のプロ向けスキンケアラインを開発した、オーストラリアの美容クリニックとのプロジェクトをご紹介します。協業は複数SKUの小ロット試験発注から始まり、クリニックが実際のプロ向け販売チャネルで製品を検証するにつれて、より大口で定期的な追加発注へと発展しました。
顧客情報に関する注記:本事例は実際の顧客プロジェクトに基づいています。プライバシー保護のため、顧客名、ブランド名、機密性のある事業情報は公開していません。
顧客の背景と製品開発上の課題
顧客は、既存の顧客基盤とプロ向けスキンケアの販売チャネルを持つオーストラリアの美容クリニックでした。クリニックで提供している体験を、自社ブランドのホームケア製品にも広げるため、独自の製品ラインを構築したいという要望がありました。
計画していた製品ラインは、主に次の3つのコンセプトで構成されていました。
- プレミアム24Kシリーズ
- 肌トラブルとトラブル後の肌印象に着目したシリーズ
- ビタミンCシリーズ
これは既成処方を選ぶだけのプライベートラベル案件ではなく、プロ向けの本格的なカスタム開発でした。顧客は主要成分の設計方針を示し、各製品のテクスチャー、肌感、肌になじむ速さ、使用時のやさしさ、塗布時の総合的な使用感について明確な要望を持っていました。
事業面にも別の課題がありました。顧客は多くのSKUを同時に立ち上げたい一方、SKUごとの初回数量は比較的少量でした。そのため、複数SKU・小ロット案件として、各処方を十分に作り込みながら、包装資材の調達、原材料の配分、生産計画も少ない初回数量で無理なく運用できるようにする必要がありました。
課題は複数の処方を作ることだけではありませんでした。各SKUでプロレベルのカスタマイズを実現しつつ、規模を拡大する前にライン全体を検証できるよう、初回数量を現実的な範囲に抑える必要がありました。
ZICAILの対応
ステップ1:複数SKUの商品構成を設計
まず、似た処方で一部の成分だけを少し変更するのではなく、顧客が求める3つの製品コンセプトを軸にプロジェクト全体を整理しました。
各SKUについて、想定用途、成分設計の方針、テクスチャー、官能特性、クリニックの商品ラインにおける役割を踏まえた個別の開発ブリーフを作成しました。これにより、24K、肌トラブルケア、ビタミンCの各シリーズがそれぞれ明確な個性を持ちながら、1つのブランドとしての統一感も保てるようにしました。
このプロセス全体については、当社のカスタムスキンケア処方開発ガイドで、製品ブリーフから処方開発、試験、製造までの流れを詳しく解説しています。
ステップ2:サンプル作製と評価を重ねて各処方を改良
顧客にはプロ向け製品として細かな要件があったため、各SKUは標準処方をそのまま承認するのではなく、複数回のサンプル作製と評価を経て仕上げました。
当社ラボでは、次の項目に関するフィードバックをもとに処方を調整しました。
- 成分配合比と仕様
- 乳化システム
- テクスチャーと伸び
- なじむまでの速さ
- 塗布時と塗布後の肌感
- 使用時のやさしさ
- 想定した商品ポジショニングとの整合性
各SKUを1つの独立した処方として評価したことで、顧客は実際のプロ現場での使用感を踏まえて細かなフィードバックを提供でき、当社R&Dチームも次の調整方針を明確にできました。
ステップ3:複数SKUの小ロット生産を実現
このプロジェクトでは、処方開発だけでは不十分でした。顧客は、各SKUで必要以上に大きな数量を発注せずに複数製品を立ち上げられる、現実的な生産方法も必要としていました。
生産スケジュール、原材料計画、包装資材の調達、サンプル対応、初回発注数量を一体で調整し、顧客が初期在庫を抑えながら、より広い商品構成をテストできるようにしました。
このような案件では、一般的な大ロット発注よりも柔軟な対応が求められます。当社は、初回生産を無理なく実行できる形に整えつつ、成果の出た製品は後から増産しやすい体制を確保しました。同様の進め方を検討しているブランドは、プライベートラベルスキンケアのMOQと最低発注数量を左右する要因に関するガイドもご覧ください。
開発・生産の概要
| プロジェクト項目 | 顧客の要件 | 当社の対応 |
|---|---|---|
| 複数SKU開発 | 複数の商品シリーズを同時に立ち上げる必要があった | 1つの基本処方の小変更として扱わず、各SKUを独立した製品として開発・改良 |
| 処方精度 | 顧客が成分、テクスチャー、なじみ方、肌感を指定 | 成分バランス、仕様、乳化システム、官能特性を調整 |
| サンプル作製 | プロの現場で評価するため、複数回のサンプル検証が必要だった | 複数回サンプルを作製し、顧客の詳細なフィードバックに沿って処方を改良 |
| 初回発注数量 | 必要なSKU数は多い一方、製品ごとの初回数量は比較的少量だった | ライン全体で柔軟な小ロット生産計画を構築 |
| 包装資材・原材料 | 少量発注のため、調達と資材配分が難しかった | 包装資材の調達、原材料、各種生産条件を調整 |
| 増産対応 | 成果の出たSKUを後から増産できることが必要だった | 検証後により大口の追加発注へ移行できる生産体制を維持 |
成果
処方とサンプルの確認後、顧客は複数SKUの初回生産に進み、プロ向け販売チャネルで製品を展開しました。
本プロジェクトで実現した内容は次のとおりです。
- 複数SKUで構成するプロ向けスキンケアライン一式
- 3つの製品方向すべてで承認された処方とサンプル
- 24Kシリーズのプレミアムな使用感
- 肌トラブルケアシリーズのよりマイルドな使用感
- ビタミンCシリーズで性能面と官能面の方向性を確認
- 複数の初期SKUを小ロットで生産
- SKUごとに後から無理なく増産できる体制
プロ向けチャネルで製品への反応が良好だったため、顧客は一部SKUの発注数量を段階的に増やしました。協業は、複数SKUの小ロット試験発注から、より大口で定期的な継続生産へと発展しました。
本プロジェクトでは、丁寧な処方開発と柔軟な製造体制を組み合わせることの価値が示されました。顧客は、どの製品を増産するか見極める前に、全製品で大きな数量を発注する必要はありませんでした。
同様の顧客が参考にできるポイント
- ポイント1:複数SKUの立ち上げでも、初回から大ロットにする必要はありません
プロ向けブランドは複数製品を無理のない数量で始め、実際の販売チャネルでラインを検証し、成果の良いSKUを後から増やすことができます。 - ポイント2:プロ向け案件ではSKUごとの処方調整が重要です
成分設計の方針、テクスチャー、なじみ方、肌感が重要な場合、1つの基本処方の小変更として扱うのではなく、各処方を個別に評価する必要があります。 - ポイント3:柔軟なサプライチェーンは処方開発と同じくらい重要です
複数SKUの小ロット案件では、R&Dだけでなく、包装資材、原材料、サンプル、スケジュール、MOQを一体で調整する必要があります。 - ポイント4:実際の製品検証が追加発注につながります
無理のない数量から始めることで、クリニックやプロ向けブランドは大きな生産量に踏み切る前に、実際の顧客チャネルで製品を評価できます。
複数SKUのプロ向けスキンケアラインを計画していますか?
Zoeは、複数SKUの処方開発と繰り返しのサンプル作製から、柔軟な生産計画、包装調整、追加発注の増量まで、本プロジェクトを一貫して支援しました。
クリニック、サロン、スパ、美容ブランド向けにプロ用スキンケアラインを構築し、複数SKUを無理のない数量から始めたい場合、Zoeが商品計画を実行可能なOEM/ODM開発・生産プログラムへ落とし込むお手伝いをします。
製造パートナーを選ぶ前に、処方、サンプル、MOQ、包装、生産支援の観点からスキンケアメーカーの選び方を解説した当社ガイドもご覧ください。